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東京高等裁判所 平成2年(行ケ)234号 判決

原告

奥野勇

被告

特許庁長官

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  原告

「特許庁が昭和六三年審判第七四四九号事件について平成二年七月二六日にした審決を取り消す。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決

二  被告

主文同旨の判決

第二請求の原因

一  特許庁における手続の経緯

原告は、名称を「自動車等排ガス排出促進装置」とする考案(以下「本願考案」という。)につき昭和五七年八月二八日、実用新案の登録を出願したところ、同六三年三月二二日拒絶査定を受けたので、同年四月二三日審判請求をした。特許庁は、右請求を昭和六三年審判第七四四九号事件として審理した結果、平成二年七月二六日、右請求は成り立たない、とする審決をした。

二  本願考案の要旨

排ガスパイプの先端に装着する装置であって、ほぼ同一径の排ガスパイプ元部から先端部にかけての軸方向とほぼ平行でかつパイプ径より広い前開口部(8)と後開口部(9)を有するケーシング外筒(6)とケーシング内筒(7)とからなり、該ケーシング外筒(6)はほぼ同一径の筒状であり、ケーシング内筒(7)は前記前開口部(8)から中央支持部(10)に向かってテーパー状に狭まるテーパー内壁(11)と、排ガスパイプ先端部(4)外周の空気加速通路(12)を形成する通路内壁(13)と、排ガスパイプ先端から後開口部(9)へ逆テーパー状に広がる逆テーパー内壁(14)とを連続して形成し、かつ前記ケーシング外筒(6)とケーシング内筒(7)とで密封された中空部(15)を形成してなる自動車等排ガスの排出促進装置(別紙図面(一)参照)

三  審決の理由の要点

1  本願考案の要旨

前項記載のとおりである。

2  審決の理由

(一) 引用例一(本願出願前に国内で頒布された刊行物「実願昭四七-一三七四五四号」〔実開昭四九-九〇七一五号〕の願書添付の明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム〔昭和四九年八月六日特許庁発行〕)には、排気筒先端に装着する装置であって、ほぼ同一径の排気筒元部から先端部にかけての軸方向とほぼ平行でかつ排気筒径より広い風圧流入口と風圧排出口を有するケーシング筒からなり、ケーシング筒は前記風圧流入口からテーパー状に狭まるテーパー内壁と、排気筒先端部外周の空気加速通路を形成する通路内壁と、排気筒先端から風圧排出口へ逆テーパー状に広がる逆テーパー内壁とを連続して形成してなる自動車排ガスの圧力損失補償装置が記載されている(別紙図面(二)参照)。

(二)本願考案と引用考案一との一致点

本願考案の「排ガスパイプ」、「前開口部(8)」、「後開口部(9)」、「排出促進装置」は、引用例一の「排気筒」、「風圧流入口」、「風圧排出口」、「圧力損失補償装置」にそれぞれ相当すると認められるので、両者は「排ガスパイプ先端に装着する装置であって、ほぼ同一径の排ガスパイプ元部から先端部にかけての軸方向とほぼ平行かつパイプ径より広い前開口部(8)と後開口部(9)を有するケーシング内筒(7)からなり、ケーシング内筒(7)は前記前開口部(8)からテーパー状に狭まるテーパー内壁(11)と、排ガスパイプ先端部(4)外周の空気加速通路(12)を形成する通路内壁(13)と、排ガスパイプ先端から後開口部(9)へ逆テーパー状に広がるテーパー内壁(14)とを連続して形成してなる自動車等排ガスの排出促進装置」である点で一致する。

(三) 本願考案と引用考案一との相違点

① 排出促進装置のケーシングが、本願考案では、ケーシング外筒とケーシング内筒とからなり、該ケーシング外筒はほぼ同一径の筒状であり、かつ前記ケーシング外筒とケーシング内筒とで密封された中空部を形成してなるのに対し、引用考案一では単一のケーシング筒のみからなる点及び②本願考案では、ケーシング内筒は前記前開口部から中央支持部に向かってテーパー状に狭まるのに対し、引用例一の考案では、ケーシング筒は前記風圧流入口(前開口部)からテーパー状に狭まる点で相違する。

(四) 相違点についての判断

(1) 相違点①について

ケーシング(導風筒体)を、ケーシング外筒とケーシング内筒とからなり、該ケーシング外筒はほぼ同一径の筒状であり、かつ前記ケーシング外筒とケーシング内筒とで密封された中空部を形成してなるようにすることは、本願の出願前に国内において頒布された刊行物「実公昭五三-四六四一三号公報」(以下「引用例二」という。)に記載されている(別紙図面(三)参照)。そして、引用例二の排気デイフューザ装置は、本願考案及び引用例一の自動車排ガスの排出促進装置(自動車排ガスの圧力損失補償装置)と類似の技術分野に属し、かつ「排気デイフューザ装置」と「自動車排ガスの圧力損失補償装置」とは、共に自動車の排気ガスパイプ先端部に設置され、その構成に共通部分が多々存在する。したがって、引用例二の前記のことを、引用例一に記載されたものに適用して、排出促進装置のケーシングを、ケーシング外筒とケーシング内筒とからなり、該ケーシング外筒はほぼ同一径の筒状であり、かつ前記ケーシング外筒とケーシング内筒とで密封された中空部を形成してなるようにすることは、当業者にとって極めて容易になし得るものであるから、相違点①は、当業者が引用例二から容易に推考することができる。

(2) 相違点②について

ケーシング内筒が前開口部からステー(中央パイプ支持部)に向かってテーパー状に狭まるようにすることは、引用例二に記載されているので、右引用例に記載された前記のことを引用例一に記載されたものに適用して、ケーシング内筒は前開口部から中央パイプ支持部に向かってテーパー状に狭まるようにすることは、当業者にとって極めて容易になし得るものであるから、相違点②は、当業者が引用例二から容易に推考することができる。

(3) 請求人(原告)の主張について

請求人は、平成元年一二月二三日付け意見書において「ケーシング外筒と内筒で形成された中空部(15)と、狭い空気加速通路(12)との相互作用で浮力が発生し、この浮力に見合う減圧部位(16)が逆テーパー内壁(14)内に発生し、これが排ガスの積極的排出力の源となる」と主張するが、減圧部位の発生のために中空部・ケーシング外筒が機能しているとは考えられず、本願考案は、引用例一と同様に、「自動車が走行すると、前開口部(風圧流入口)より流入した外気は、排ガスパイプ先端(排気筒先端部)外周の空気加速通路(絞り機構)により絞られて他の部分より流速が大きくなり、外気流量に応じて発生した圧力差、つまり静圧が外気より小さくなり排ガスパイプ先端部に負圧を生ずる。この負圧が、排ガスパイプより外気を吸出する力となり、排気を促進する。」作用効果を奏するというべきであるから、請求人の右主張は採用できない。

(五) したがって、本願考案は引用例一及び二に基づいて当業者が極めて容易に考案することができたものであるから、実用新案法三条二項により、実用新案の登録を受けることができない。

四  審決の取消事由

審決の理由の要点1及び2、(一)ないし(三)は認めるが、同2、(四)、(五)は争う。審決は相違点①に対する判断を誤った結果、本願考案の進歩性の判断を誤ったものであるから、違法であり、取消しを免れない。

相違点①の判断の誤り(審決の取消事由)

審決は、引用例二の「排気デイフューザ装置」と「自動車排ガスの圧力損失補償装置」とは、共に自動車の排気ガスパイプ先端部に設置され,その構成に共通部分が多々存在するとの前提に立ち、同引用例の被告援用の記載から相違点①に対する示唆を受けることができるとする。

しかし、引用例二の「排気デイフューザ装置」は、「排気系のエゼクター作用により外気を吸入混合させて温度低下を計る」ことを目的とするもので、排気ガスパイプ先端に扇形末広がり管を設置し、排気ガス管の口を絞り構造とすることにより排気抵抗を増大させ、排気ガスの流出速度を大きくすることを目的とするものである。したがって、引用例二の右目的からすると、引用例二の第1図ないし第6図には、導風筒体を構成するケーシング外筒とケーシング内筒とで囲まれた中空部が密封されているが、乱流を防止し、負圧を発生させ、減圧部位を逆テーパー内壁内に発生させることを目的とする本願発明における中空部の作用は全く意識されていない。

これに対し、本願考案は、引用例一のベンチュリー管を改良して相違点①を付加したもので、これによりケーシング外筒と中空部の作用により前開口部から取り入れた空気が排気口付近で更に流速を高めることにより生じた負圧による減圧部位が逆テーパー内壁内に発生し、排ガスの積極的排出力となるようにしたものである。したがって、両者は、エゼクター効果をもたらす流体と右効果を利用して吸引する流体とが、本願では外気を利用して排気ガスを吸引するのに対し、引用例二では排気ガスを利用して外気を吸入する点において逆である点において、重要な相違があり、しかも、本願考案における密封中空部は、外気流の乱れを防止し良好な外気流による排気ガスのエゼクター作用をもたらすのに対し、外気との接触面積を大きくする引用例二においては、かかる考慮は必要ない。

以上のように、引用例二に係る排ガスデイフューザー装置と本願考案に係る排出促進装置が一般的技術分野の類似性と構成に共通部が多々あるとしても、両考案の以上のような相違からすると、引用考案二から本願考案に対する示唆を受けることはできず、現に仮に、引用例一のベンチュリー管の排気口に引用例二の扇形末広がり管を設けるならば、逆に排気抵抗を増し、排気を抑えることとなり、エンジンの出力低下をもたらし、排気ガスの積極的排出ができないのである。

したがって、引用例二は、本願考案と構成及び作用を異にするものであるから、同引用例から相違点①についての示唆を受けることはできず、これを可能とし、極めて容易に本願考案に想到し得るとした審決の認定判断は誤っている。

第三請求の原因に対する認否及び被告の主張

一  請求の原因に対する認否

1  請求の原因一ないし三は認める。

2  同四は争う。

二  被告の主張

原告は、引用例二の「排気デイフューザ装置」は、本願考案及び引用例一とは目的が異なると主張し、同引用例から相違点①についての示唆は得られないと主張する。

しかし、引用考案二は,、本願考案及び引用考案一と同様に、自動車の排ガスパイプの先端に設けられたものであり、さらに、管路を滑らかに絞り緩やかに拡大したいわゆるベンチュリー管において、絞り部における静圧の圧力降下により負担を生じさせ周囲の流体を吸引する、流体力学上のベルヌーイの定理に基づくエゼクター効果を利用する装置である点において両者は一致する。すなわち本願考案と引用考案一は、外気の走行風によりもたらされたエゼクター効果により排ガスパイプの先端に負圧を生じさせて排ガスを吸引するのに対し、引用考案二は、逆に排ガスによりもたらされたエゼクター効果により排ガスパイプの先端に負圧を生じさせて外気を吸引するものであるから、エゼクター効果をもたらす流体とそのエゼクター効果を利用して吸引する流体とが、排ガスと外気とで逆である点で相違しているが、両者は、自動車の排ガスパイプ先端に設けるエゼクター効果の利用装置である点で一致している。

そして、ケーシング外筒をほぼ同一径の筒状とすれば、空気の乱れが生じないことは当然に予測し得るところであって、本願考案は、引用例一に引用例二のエゼクター効果の利用装置における技術、すなわち、ケーシングがケーシング外筒とケーシング内筒からなり、該ケーシング外筒はほぼ同一径の筒状であり、かつ該ケーシング外筒と該ケーシング内筒とで密閉された中空部を形成してなる点を適用することにより、当業者が極めて容易に考案できたものである。

したがって、審決の認定判断に原告主張の誤りはないから、審決に原告主張の違法はない。

第四証拠関係

本件記録中の書証目録記載のとおりであるから、これをここに引用する。

理由

一  請求の原因一ないし三の事実はいずれも当事者間に争いがない。

二  審決取消事由について

1  成立に争いのない甲第二号証の一ないし三によれば、本願考案は、自動車等におけるエンジンから生ずる排気ガスが、排気ガスパイプ系に付加されたマフラーや各種の排気ガス浄化装置等の抵抗によりエンジン馬力及び燃料消費率の低下を招くという問題点を有しているため、消音効果及び排気ガス浄化機能を損なうことなく、これらによる排出負荷を軽減し、エンジンの馬力の向上及び燃費の節減を実現し、前記問題点の解決を図ることを課題とした簡便な自動車等排ガスの排出促進装置に係る考案である。本願考案においては、前記課題を解決するために、排ガスパイプの先端に右装置を装着し、自動車の走行時の風圧によって排ガスパイプ先端に減圧空間を発生させ、排気ガスの排出負荷を軽減させる方法を採用したもので、その具体的構成は、当事者間に争いのない前記本願考案の要旨記載のとおりであり、ケーシング外筒とケーシング内筒により形成された中空部と狭い空気加速通路との相互作用により発生する負圧に対応してテーパー内壁内に発生する減圧部位が排出ガスの積極的排出力を生ぜしめるものであるが、従来例にない構造上の特徴としては、従来の単なるベンチュリー管では、その外周にある凹部によって発生する乱流のために排出口付近に逆方向の流れが生じ、これが排出抵抗となって排気ガスの排出を妨げることから、これを防止するために、ケーシング外筒とケーシング内筒との間に中空部を設けることにより乱流の発生を防止したものである。そして、以上の構成による作用効果として、減圧の程度は走行速度に比例して増大することから、速度が高速になるに比例してより大きな燃費節減効果を奏するものである。

以上のとおり認められ、他にこれを左右する証拠はない。

2  原告は、相違点①について、引用例二に基づき本願考案を極めて容易に想到できるとした審決の認定判断は誤りであると主張するので、まず、引用考案二についてみることとする。

成立に争いのない甲第四号証によれば、引用例二は、自動車エンジン等から排出される排気ガスのエゼクター作用により、排気系において外気を吸入混合させて、排気ガスの温度低下を図ることを目的とした排気デイフューザ装置の改良に関する考案を記載したものであり(この点は当事者間に争いがない。)、右装置の基本的構成は、排気ガスの排出管の先端を次第に薄くして扇形ノズル状に拡開させた末広がり管(別紙図面(三)、イ)とし、その先端部外周を中間部に絞り口(同ロ)を具備する導風筒体(同ハ)で囲むようにしたものであり、右イの構造により排出される排気ガスの流速を高め、そのエゼクター作用により、右イとハの間に形成された空間から外気を吸入してこれを排気ガスと混合させ、排気ガス温度の低下を図るものである。そして、引用例二には、従来例として記載された第1ないし第3図に、本願考案におけるケーシング、すなわちほぼ同一径の筒状のケーシング外筒とケーシング内筒とで密閉された中空部を形成してなる構成と類似した構成の中空部を有する導風筒体が記載されていることが認められる(右第1ないし第3図に中空部を有する導風筒体が記載されていることは当事者間に争いがない。)

3  そこで、以上の事実に基づき、本願考案と引用考案二とを対比してみるに、本願考案は排ガスの排出抵抗を軽減して排出を容易ならしめるのに対し、引用考案二はむしろ排出抵抗を増大することにより排出ガスと外気との混合を促進しようとする点において、技術課題を異にする結果、排気ガス管の構成ひいては排ガスの排出態様等においても相違があることは、原告主張のとおりであり、原告はかかる相違があることをもって、引用例二から本願考案を想到することは極めて容易であるとはいえないと主張する。

しかしながら、本件における争点は、引用例二に開示された技術の本願考案への転用の可否ないし容易性の程度をいかに評価するかという点にあるのであるから、両考案が直接の目的とする技術的課題の類否のみならず、その属する技術分野の類似性の有無ないし程度、課題解決手段としての具体的構成の異同、それを支える技術思想の類否等の諸要素を考慮して転用の可否ないし容易性を決すべきものであり、原告の前記主張は両考案の直接的技術課題以外の前記の諸事情を捨象する点において相当ではないといわざるを得ない。

そこで、かかる観点をも加味して検討するに、前記事実によれば、両考案は、①技術分野において、いずれも自動車等の排気ガス管の先端部における自動車排ガスの処理に関する技術である点において一致し、②その具体的構成において、両考案共、排気ガス管の先端部にテーパー状に絞り逆テーパー状に拡大した内筒、すなわち、いわゆるベンチュリー管を取り付ける点において共通し、かつ、③基礎とする技術思想において、両考案共、

排気ガスの排出圧力と外気の圧力差とから生ずる負圧を利用する点において一致する、ものということができる。

してみると、確かに本願考案においては、原告指摘のような技術的課題及びこれに伴う構成において前記のような相違が認められるが、かかる相違を考慮に入れたとしても、前記①ないし③のような、両考案における技術分野の類似性並びに主要な構成要素及び技術手段の基礎となる技術思想の同一性に照らすならば、当業者において、引用例二の記載に基づいて、本願考案における相違点①に係る構成を想到することが極めて容易であるとした審決の認定判断を誤りであるとすることはできない。

また、原告は、審決は、本願考案における中空部の機能を正当に評価していないと主張するが、引用例二には、本願考案のケーシングと同様に中空部を設けた実施例が記載されていることは前述のとおりであるから、右実施例においても本願考案と同様に乱流の発生防止の機能を果たしていることはその構成が同一である以上当然のことであるから、審決が引用例二を示している以上、本願考案の中空部の作用を正当に評価していないとはいえず、この点に関する原告の主張も採用できない。

なお、原告は、仮に、引用例一のベンチュリー管に引用例二の扇形末広がり管を設置するならば、逆に排気抵抗を増し、排気を抑え、エンジンの出力低下をもたらすと主張するが、審決は、本願考案の「ほぼ同一径の排ガスパイプ」については引用考案一との一致点と認定した上で、引用例二に記載された同一径のケーシング外筒及びケーシング内筒とで形成された中空部に関する事項に基づき、本願考案と引用考案一との相違点①を想到することは極めて容易であると説示しているのであり、引用例一の排気ガスパイプに相当する引用例二の扇形末広がり管を引用例一のベンチュリー管の排気口に置き換えることが容易であると説示しているものではないことは明らかであるから、右主張は、前提を誤っており失当といわざるを得ない。

4  そうすると、技術分野において極めて親近性が強く、両考案の基礎となる技術思想において共通し、かつ、中空部の作用において本願考案と同一の作用を奏する形状の実施例が示されている引用例二の記載から、相違点①を極めて容易に想到し得たとする審決の認定判断に誤りがあるとすることはできない(なお、相違点②に対する審決の理由の要点2(四)(2)の説示並びに減圧部位と中空部及びケーシング外筒の機能に関する同(四)(3)の説示も、前掲甲第二号証の一ないし三及び同第五号証に照らし、いずれも誤りとすることはできない。)。

三  よって、本訴請求は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 松野嘉貞 裁判官 田中信義 裁判官 杉本正樹)

〈以下省略〉

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